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Nishikiya ビジネスサポート

最重要要素1:羨望(嫉妬)と隣の芝生

time 2022/09/19

01-02成功するセールスコピーに欠かせない5つの重大要素

第1の要素は、羨望(嫉妬)と隣の芝生です。昔アール・ナイチンゲールが書いた「隣の芝生」の話があります。ご存じない方のために、極力手短に、面白くないように話しますね。そのほうが簡潔で分かりやすいと思いますから。

これは、ある農夫の話です。彼は毎朝、コーヒーを手に、農場の一番高い丘に歩いて行き、てっぺんに立って周囲を見渡すのが日課でした。毎朝、遠くに見える隣の牧場の牧草のほうが、彼の牧場よりもずっと青々として見えるのです。

隣の牧場主も、同じ朝の日課を行なっていました。朝起きてコーヒーを手にし、自分の牧場の一番高い丘に歩いて行って、てっぺんに立ち、周囲の土地を見回すのです。

そして彼もまた、遠くに見える隣の牧場のほうが、自分の所よりもずっと青々としていると感じ、くやしさといらだちを覚えるのでした。

ある日、町の飼料工場で顔を合わせた2人は、道向かいのバーに行き、酒を2~3杯飲みながら、取引を交わし、牧場の所有権を交換したのです。

その日から農夫Aが農夫Bの牧場に、農夫Bが農夫Aの牧場に移りました。翌朝、2人とも起きるなりコーヒーを手に、自分の牧場の一番高い丘に登って、衝撃と失望に襲われました。隣の牧場のほうが、自分の所よりずっと青々としていたのです。

すべての人に共通する心理です。

私は以前、ミックス・ドッグ・マスターマインドというグループを主催していました。ある人は検眼医、ある人は靴屋を経営というように、グループの皆 がそれぞれ異なるビジネスに就いていました。そうしたグループの長として、最も気をつけなければいけないのは、ビジネスを交換したくなる皆の気持ちを抑え ることでした。

人の仕事は、はた目には、見るにつけ聞くにつけ、自分の仕事よりよく映るのです。そのため、“隣の芝生”を売る話のほうが、“自分の持っているものを良くしよう”という話より説得しやすいのです。

GKICの商品で「Opportunity Concept(機会というコンセプト)」というものがあり、その中で、業界の大半の人が以下の3つを売る傾向にあるという話をしています。

  • 救済
  • 修復
  • 改善

本当に皆、このどれかに落ち着いているのです。私たちの業界のセールスコピーを洗いざらい見てみると、必ず、救済、修復、改善のうちのどれかに当てはまるのです。

しかし、それはすべて“自分がすでにいるところ”“自分がすでに持っているもの”を主体とした話です。

全く異なる機会とか、全く異なる隣の芝生の話ではありません。でも実は、常に、隣の芝生のほうが売りやすいのです。

自分がすでに持っているものを救済・修復・改善する話がダメだというわけではありません。でもそのような提示方法は効果的ではないのです。

私はよくスワイプファイルを見ます。“あなたのビジネスを替えましょう”といった類の話をよく使わせてもらっています。

カイロプラクティック、歯科医、レストラン、その他あなたがどんなビジネスを営んでいるのであれ、もっと儲かるビジネスに鞍替えしましょうというものです。

本当にビジネスを変えるわけではないのですが、“替える”という言葉を使ってプレゼンテーションをするのです。

先ほどの話を思い出し、見込み客を農夫たちに重ねれば、皆、遠くに見えるものが実際より良く見えてしまう構図がつかめますね。

つまり人は、よその人の生活を見て「ああ、自分もああだったらなあ」と考え、実際にそれを手に入れてみると、変わったことは変わったけれど、必ずしも前より良いとは限らないことに気づくのです。

配偶者を取り替えても、「変わったかもしれないが、そんなに良いわけではない」ことに気づきます。

ビジネスを鞍替えしても「これはこれで別の欠点や難点がある」ことに気づきます。

しかし、人に替えたい気持ちを起こさせるのはとても簡単で、改善や修復を望む気持ちを起こさせるよりたやすいのです。

遠くからだとずっと良く見える何かに替えたいという願望のほうが、ずっと強力なのです。

これに関連した概念が、インサイダーの知識、インサイダーの機会・特典・特権です。外の人には手に入らない物事を得たり行なったりできることを指します。

まずは古いほうから紹介しましょう。これは1921年のものです。

昔のインターナショナル・コレスポンデンス・スクールズ(ICS)の広告ですが、彼らは今でも広告を出しています。コレスポンデンス・スクールのビジネスは、今なお健在で、ICSも今なお健在です。

彼らは、1980年代に私のクライアントでもありました。この広告から60年後に当たります。彼らのビジネスはおそらくデジタル化され、会社は永遠に存続することと思います。

さて、これは、夫と妻と子供が新居の前に立っている絵です。

「人生で最も誇りに思う瞬間がやってきた!」

それを手に入れるには、このリストにある新しいキャリアを得ることだというのです。

この話は、新しいキャリアと結びつけられていることで、現実味を増しています。新しいキャリアと結びついているほうが、帽子のお父さんが今の仕事の 業績を向上させる手法と結びついているよりもいいのです。今の仕事をもっと頑張るという概念のほうが読者に信じてもらいにくいでしょう。

さて、こちらはもう少し最近のもので、家ではなく、住む場所に関するものです。

窓から外に目をやると、レモンやサクランボ、イチジクの木の剪定作業を行う庭師が忙しそうに働いています。その周囲に咲き誇っているのは、クチナシやハイビスカス、タチアオイの花々です。

空は透き通るようなブルー。海は深く青い水をたたえ、太陽の光を受けて輝いています。

海からはさわやかな風が優しく流れ込み、心が浮き立ちます。そこへ、メイドが食事を運んできました。ベッドでの朝食です

一瞬、ここはあの世、天国なのか、という思いが心をよぎります。

でも、この天国は存在しています。しかも、皆さんの手の届くところに。そればかりか、この夢のような暮らしには、自宅に住むコストのたった半分しかかからないのです!

この16ページにわたるセールスレターは、「インターナショナル・リビング」というニュースレターを売るためのものです。へんぴで、虫だらけで、武装ボディガードが要るような危険な場所に移住する方法を教えるニュースレターなのです。

しかし、何が良いのかというと、そういうところでの生活が月にたった5ドル85セントで手に入るというのです。

私はフェニックスに住んでいた頃、出張戦士で、旅行が多く、民間航空機に乗っていました。フェニックスの家に帰るフライトで、夜なら明かりのついた街並みが、昼なら砂漠が目に入る着陸時になると、よく隣の人が聞いてきたものです。その質問とはこういうものでした。

「ビジネスかバケーションでここに来たんですか? それとも住んでいらっしゃるんですか」

「住んでるんです」

「へえ、住んでるんですか。いいなあ、私も住めたらなあ」

そして決まって、自分の住むカンザス州ウィチタのひどい話を始めるのです。

「私はウィチタなんですけどね。もう、1年のうち4カ月は、凍死状態ですよ」

フェニックスでは1年のうち4カ月は焼け焦げ状態です。そんなことはいいのですが。

「しょっちゅう雪だらけで、人はみんなデブで醜いし……」

と、ウィチタの生活のひどさや、いかにフェニックスに住みたいかを10分間しゃべりまくるのです。でも、フェニックスに移り住んできた人の6割は、初めて7月を迎える前に出て行ってしまいます。ちなみにこれはすごい回転率です。

ですから私はそんな人たちにいつもこう言っていました。

「ウィチタには、出口を示す矢印の付いた大きなグリーンのサインがあって、どうすればウィチタを出られるか教えてくれていますよね。いつでも出ることができるじゃないですか。

連邦政府はまだ、人口配分だとか割り当ての計画に着手してあなたをウィチタに縛り付けているわけではありませんよ。そのうち始めるかもしれませんが、今なら出られるでしょう」

でも、人にはそれが分からないようで、彼らの頭は、フェニックスがパラダイスだということでいっぱいです。でもそんなことはなく、もちろん、コスタリカだってそんなはずがありません。でもウィチタの人には、こうした話が、どうしようもなく魅力的に聞こえるのです。

さてこちらは、私が昔書いたセールスレターで、あなたもご覧になったことがあるかもしれません。エリート主義を扱ったものです。

「革新的な秘密クラブ」へようこそ……

お金儲けのスピード、容易さ、自律性に関し、通常の、一般的で、普通で、慣習的な限界や規則を受け入れたくない人はほかにいませんか?

望んでいない人などいないはずです。そもそもそれがポイントで、これらはすべて、よそとは違うものでなければならないのです。

代わってこちらは、私のクライアント、ヘルスソースのクリス・トムシャックの現行のコントロールです。彼らは、カイロプラクターのフランチャイズ化を行なっています。これは現在コントロールとなっているハガキです。

もしあなたがついに、こんなふうに考え始めたなら……

セミナー、コーチングプログラム、コンサルタント、単一疾患のためのマーケティング・プログラ ム(ニューロパチー、線維筋向けなど)はもうたくさんです……もう十二分に受けてきました。何かもっと良い方法が“あるはず”です……

そういうことならば、もっと良い方法があるのでしょうね。

すぐにこのサイトへ行って、動画を見て、無料レポートをダウンロードするか、またはここに電話して短い録音メッセージを聞いてください。すぐに案内を郵送します――と促しています。

大きな禁止印をかぶせたセミナー会場の写真では、ホワイトボードに「信用してください。私はグルです」と書いてあります。

一方でこのハガキは、フランチャイズ販売をするグルのセミナーに見込み客を行かせようとしているのです。

そんな皮肉を抜きにしても、このビジネスはよそとは違うものでなければなりません。

隣の芝生を使うにあたって大事なのは、同じターゲット市場を対象とするほかのものとは違うというポジショニングをすることです。

しかしそうしたポジショニングをするには、クリエイティブな思考が必要となるほか、皮肉を無視することも必要です。つまり、あなたが何をしようとしているのかに相手がようやく気づいたとき、パッと切り替えられるようでなくてはならないということです。

これは、ただのセミナーとは違い、「発見の日」と銘打ったイベントですが、コーチングともまた違います。フランチャイズの形態をとったコーチングなのです。ですから彼らの主張には、一定の真実性がありますが、ポエティックライセンス(詩的許容)も見られます。

したがって、あなたにとって先決なのは、よそとは違うという前提を作ることです。

これまでの例で、いくつかのキーワードを紹介してきましたが、ここで優れたキーワードをもう一つ。これは私のクライアント、クリス・カーデルの広告です。実に優れた言葉です。

ついに

これまで見込み客は一定のものを見てきただろうが、ついに、それとは違うものが登場しました、という意味合いになります。

とても優れた言葉です。こう言っています。

ついに、すべてのマーケディングを肩代わりします

あなたの代わりに……については、先ほど説明しましたね。

あなたのビジネスに“差し込むだけ”で新規客が際限なく流れ込む完全なるデジタルマーケティングシステム。

見込み客が何を思い描くか分かりますか?

コンセントね、それならできそうだ。コンセントの差し込みならいつだってやっているから。

たった30日間で必要不可欠なマーケティングのすべてをあなたに代わってやってしまいます

これなら、よそとは違うという条件を満たしています。

自分の市場に売っているものを、より良いものとしてひたすら提示し続けるのは、非常に不利です。

“より良い”というのは皆、聞き飽きているのです。違うものとして提示しなくてはなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最重要要素2:緊急性

第2の要素は緊急性です。

私たちは、説得されかかった状態の人とお金を実にたくさん抱えています。

商品の価値をお金に換えるために必要な一連の出来事の最後が、お金を受け取ることです。

その段階にあと一歩のところまで見込み客を誘導しても、考える時間を与えてしまうと、大半の人を逃すことになります。

そこで、昔の広告を研究することが非常に役立つのです。なぜなら、昔のダイレクトレスポンスには、先延ばしを助長してしまうような環境的要素がたくさんあったからです。一定の距離があれば、どんな手段のレスポンスにも時間がかかるのが当たり前でした。

ある人がラジオのコマーシャルを聞いたとしても、電話が使える場所に行くまで電話できません。そうこうしているあいだに、電話するのをやめたり、し忘れたりということがありました。

インターナショナル・コレスポンデンス・スクールの広告を見て注文しようとした場合、申込用紙や資料請求券に必要事項を記入し、それを切り取り、封筒を見つけて、その中に入れて、切手を貼って、投函するという作業を要します。

不可避な遅れ。

今の世の中にはそんなものは存在しません。時間をおかないようにするあらゆる方策があります。

それでも、非常にたくさんの人が、電話をする直前に、ウェブサイトで時間を費やしてオーダーフォームから去ってしまう、といったことをするのです。

だいたいにおいて、そうなった人はもうおしまいです。

白紙からやり直しも同然です。

ですから緊急性はとても重要なのです。

チャンスは今しかないという発想が必要です。

では、緊急性の例をあげていきます。緊急性を出すために最も使われるセールスコピーです。

「取り逃したチャンス」のストーリーにはいくつかのバージョンがありますが、ほとんどの人が、そのうちの一つは知っているでしょう。

どこの家でも、うちのお祖父さんは、チューペロでレイ・クロックにマクドナルドのすべてのフランチャイズ権を1ドル10セントで買わないかと言われたが断ってしまった――というようなストーリーが語り継がれているはずです。ほぼすべての家にその手の話があるものです。

オーランドのディズニーワールドに行ったら、南側に新しくできた入場客用ゲートからキシミーに出ると、出てすぐ左側に3階建てのマクドナルドがあり ます。すべての階にドライブスルーがある、巨大なガラス張りの建物なのです。この超メガマクドナルドが、かつてはディズニーの従業員出入口以外何もなかっ たキシミーの土地にできたのです。

何もない土地に大きな価値がつくことはありません。キシミーはどこをとってもそんな土地でした。

ロドニー・トールソンと私は、その土地の選択売買権を持っており、それを維持するのに月50ドルの費用がかかっていました。ところがある月、彼も私も50ドルを払えないことがありました。

キシミーの、ディズニーランドの裏手のあの3階建てのマクドナルドを通り過ぎるたびに、私は苦しくなります。今こうしてそのことを考えてもそうです。

私は皆さんのことが大好きですが、もしあのとき50ドルがあったら、私はおそらくここにいなかったでしょう。

そのように、誰でも、取り逃したチャンスの感覚を持っているはずです。それを刺激し、それに伴う心の痛みを生じさせればよいのです。心の痛みは、マインドコントロール・コピーの7つの秘密の一つでしたね。

そして恐怖心もありました。

緊急性は、置いていかれたり、取り残されたり、格好悪い状態になることへの恐れによって、作り出されます。

新しいスマートフォンを買うために皆が列に並ぶのはなぜでしょう? それは格好悪くなるのが嫌だからです。流行に置き去りにされたくないのです。

一番に手に入れたいからだという人が多いのですが、違います。彼らは、最後になりたくないのです。パーティに遅れたくないのです。

ちなみに、後悔したくない、という気持ちは、若い顧客よりも高齢の顧客のほうが容易に刺激できます。

ベビーブーマー世代のシニア層には、最高のトリガーです。

希少性は、単に、これがなくなったらもう手に入らないということです。

通販のハマカー・シュレンマーは、クリスマスカタログで、20万ドルのバットモービルを売っていました。新車です。皆が知らないのは、この会社が同じものを毎年、何台か作っているということです。新車を作っては、売っているのです。

大半の人は1台限りだと勝手に推測しており、そこには、なくならないうちに入手しなくてはという緊急性が存在します。

でも、そんなことは書かれていません。この場合は、大半の人が勝手にそう思っているだけなのです。

私は、彼らが、毎年12台ほど作っていることをたまたま知っているだけです。2番目に入手した人からも、20万ドルもらっています。それでも希少性はあります。

限定性は、希少性の次に貴重なものです。

  • 希少性は、これがなくなったらもう手に入らない、例外はないということ。
  • 限定性は、一定の量があり、それが限られた数の人にしか入手できず、いつかなくなるということ。

これは、比較的裕福な顧客、つまり成功している人々にとって、とても優れたトリガーになります。ほかの人が持てないものを持たないなら、金持ちである意味がありません。

それこそが裕福であることの意義なので、このトリガーはとても効果的です。

では、セールスコピーの例を紹介していきます。これは後悔に対する恐れのひな型です。

私が過去40年間に書いたセールスコピーをすべて見れば、これが何百回も使われていることが分かります。

 

億万長者の_____があなたのドアをノックして________を持ちかけるなど、めったにあることではありません。

 

空白には、億万長者の水道工事屋、億万長者の不動産投資家、といったようにあなたが言葉を入れます。億万長者の何々があなたのドアをノックして、あなたを弟子にし、秘密の方程式を教えることを持ちかけるなど、めったにあることではありません――となります。

これはあくまでもひな型ですが、後悔への恐れを喚起します。めったに起きることではないからです。この機会を逃した人はどうなるでしょう? そのオファーを利用しなかったら、その人は20年後、どんな気持ちになるでしょう?

こちらは“取り逃したチャンス”のコピーです。これはかなり最近のもので、数週間前にクライアントのために書きました。

創業当時のジェフ・ベゾスのパートナーの一人は、退職金500ドルでアマゾンを辞めました。ドミノ・ピザのトム・モナハンの最初のパートナーは、中古のフォルクスワーゲンをもらって辞めました。

先見の明を持つことは容易ではありません。その結果、一生のチャンスを取り逃し、生涯後悔する人がたくさんいます。しかし今回のこのチャンスはあなたに取り逃してほしくないので、その手伝いをしようと私なりに考えました。

この後「一生のチャンスをリスクゼロで活用していただくために……」と、リスク回避の保証のコピーが入ります。

以上が取り逃したチャンスのコピーの一例ですが、もう一例お見せします。これは、今現在のもので、とても優れた緊急性のコピーです。長いセールスレターの最後のほうです。

なぜこれがあなたにとって今重要なのかを説明します。我々は今、非常に不安定な状況です。リーマンショックもありましたし、米国の景気も完全にダメになってしまいました。各地で保険などなど….破綻しています。

もっと下のほうにはこう書かれています。

こんなに薄い氷の上でスケートしてるいる場合ではないんです。実際に実証されたもの、証明されたものでビジネスを拡大しなければいけません。

そして……

もしあなたがビジネスに不安を抱えているなら、心配があるのであれば。お客さんが足りないとか、患者が足りない、と思ってるとしたら…

私がここで言及するまで、読者はそのことを気にしていなかったかもしれませんが、ここで気にするようになります。そして緊急性のコピーが登場します。

いますぐ行動してください。締め切りはすぐです。割引価格は今だけ。売れ切れ間近。タイミングが重要です。

これが不安を煽る緊急性コピーです。ここでマインドコントロール・コピーの7つの秘訣に戻りますが、心配や不確実性、不安を煽るのが緊急性のコピーです。不安なとき、人はどうしたいと思うでしょう? 安心したいと思うものです。

不安を取り除くある行動を取ればよいわけです。

その行動とは? 申し込む、つまり購入です。購入こそが解決策なのです。

さて現実には、セミナーに行ってたくさんの課題――the five elegantly simple thingsには50項目の副題があります――を家に持ち帰らなければ、そしてそのまま使わなければ、解決にはなりません。

しかし、購入したときには、あなたが作り出した不安が取り除かれた実感を得たはずです。申込用紙に記入し、ファクスに入れた瞬間は。

これが私たちの商売なのです。

 

 

 

 

 

 

最重要要素3:矛盾

第3は、興味深いカテゴリーのセールスコピーで……矛盾のコピーといいます。

矛盾のコピーは「自分の偽りの瞳を信じますか、それとも私の言うことを信じますか?」と聞き、「いいえ、空は赤いのです」と言うタイプです。

たとえば、人は、安心と安全を求めています。そして数が多ければ安全だという説を信じているのです。愚かな考えですが、そう思っているのです。

私の年代の人は、親にデートをコントロールされていました――今の時代では通用しない発想ですが――母親が娘に、ダブルデートをさせたりしていました。数が多ければ安全だと考えてのことです。

ダブルデートでは実際、カップルが順番に見張り役をすることができてしまうのですが、親たちは数が多ければ安全だと考えていたのです。

数が多ければ安全だという考えの問題点は、珍しくも新しくもないということです。なぜなら、何百万人もが同じことをするとなると……

したがってコピーでは、“数が多いほうが安全かもしれませんが、先陣を切れば、誰も知らない秘密を知ることができます”と言わなければなりません。

そういう技が必要なのです。

人は、効果が実証済みのものを欲しがります。

自分が実験動物になるのは嫌です。その一方、新しく画期的なものも欲しがります。

私たちは、2つの対立する物事を1つの文章で表し機能させなければなりません。

  • 秘密なのですが、何万人もが参加しています。
  • ウォール街は悪ですが、私のアドバイスに従って株式投資をすれば勝つことができます。
  • その世界の連中は皆悪党で、まるで巨大なカジノです。あなたのお金を盗み取ることしかしません。そこで、私の案内でカジノに遊びに行きましょう。

悪いタイミングは、良いタイミングです。ちなみに、大半の人が、あなたが彼らにさせようとしていることが何であれ、今はタイミングが悪いと考えます。

たいてい、タイミングが一般的に悪い――「景気が悪くうちの業界は困窮している」か、個別の事情で悪い――「うちには子供が4人いるので、皆が~するまで待つ必要がある」かのどちらかなのです。

最高のジョークがあります。90歳のカップルが離婚裁判で裁判官とこんなやり取りを交わしました。「55年も連れ添って、なぜ今頃離婚なのですか?」「子供たちが死んでからにしたかったのです」

矛盾のコピーの例です。

私は、この手で1,200件以上の取引を行なってきました。そして今でも、購入、販売、再販、転売、新規投資者を探すといったことを、現役 で行なっています。それは重要な点です。数件の取引をしただけで、教えていることを実践していると主張しているわけではありません。これが私のビジネスな のです。

テレビでおなじみではない

私は、深夜や週末放送のテレビに出ている“不動産で金持ちになろう”といった類のやり手とは違います。

累計2億ドル近い不動産取引を行なってきました。小さく、相応に儲かる取引を数多くこなしてきたのです。私の最大取引金額は、980万ドルの賃貸用物件を半額で購入した取引です。

2003年から2008年までは取引に専念していましたが、2008年から、ほかの投資者へのコーチングを始めました。そして、この業界で最も完全自動化されたビジネスシステムを構築したのです。それは、スマートフォンですべての取引が行えるというものです。

さらにその後、現役の投資者とバイヤーを結ぶ、米国最大の独自のネットワークを構築しました。私の生徒たちが見つけた好条件の取引を、探している人々に見てもらうためです。

これは重要です。私が皆さんと知識を共有し始めたのは、2003年から2008年まで自分のメソッドを磨き上げた上でのことです。

ここまでは、すべて古さの主張です。試験済み、実証済みと言っています。2003年から始めたとのことです。ここまでの部分はすべて古く、蜘蛛の巣が張っています。

しかし、こうした基盤を利用して、私は今、全く新しいシステムを築いたのです。それは、どんな市場――良い市場でも悪い市場でも利益を出す、これまでの不動産業界では誰も可能だと思わなかった手法です。

これは、従来の業界で使われてきた手法とは非常に異なるものです。懐疑的な人、否定的な人、恨みを抱く人までいます。それは、彼らが、こん なにも懸命に働き、利益に見合わない苦労に耐えているのに、私と私の生徒たちがあまりにも簡単に利益を上げているからです。でも彼らにどう思われようが、 何を秘密にされようが、関係ありません。

この種のセールスコピーは――何度も何度もしつこく検証すると――鍋に毎回同じ材料が投入されていることが分かります。

それは何かというと、彼らがあなたに知ってほしくない秘密です。

これまで、この業界がこんなにもプラグアンドプレイ状態になったことはありません。

プラグ、つまり差し込むだけです。分かりますか? 差し込むだけなら私でもできます。それなら私でも感電せずに何度もできます。

あなたはただ、特定の方法で購入することが可能な、条件に適った物件を探し、会員限定のインターネットメディアにアップするだけです。マッチ・ドットコムで交際相手を探したり、モンスター・ドットコムで就職の面接の機会を探したりするのと同じ要領です。

これは、私のリストにはありませんが、あなたも知っておくべきセールスコピーのテクニックで、“チキンみたいな味戦法”というものです。

“チキンみたいな味”というのは例の決まり文句です。ゲテモノ――ガラガラヘビ、交通事故で死んだ動物、空揚げのイボイノシシなどなど――を食べるよう勧 められたときなどに「えぇ? どんな味なの」と聞くと、決まって返ってくるのが「鶏肉と変わらないさ」という答えです。私なら「だったら鶏肉を食べよう じゃないか」と返しますが。

しかし“鶏肉と変わらない味”のコピーテクニックでは、人が理解できないことを、理解できることにひっかける必要があるのです。

私の5つのリストには載せていないマイナーな項目で、5大要素ではありませんが、知っておくとよいテクニックです。

マッチ・ドットコムで交際相手を探したり、モンスター・ドットコムで就職の面接の機会を探したりするのと同じ要領で、バイヤーに名乗り出て もらい、選び、利益を上げ、しかも物件を実際に所有したり、大家さんになったり、銀行にお金を借りたりと、難しいこと、リスクのあること、時間のかかるこ とは一切しなくてよいのです。

この最後のパラグラフは、“嫌いなことは一切せずに、自分の欲しいものすべてを手に入れられる”というマインドコントロール・コピーの7つの秘訣ですね。

この新しいシステムは、非常に限られた数の方にしかリリースできません……

“ランブラーのように、歴史が長く、実証済みで、信頼できるもの”を作り、その後で“全く新しく、秘密で、限定的”なものを作ったわけです。

それが矛盾のコピーです。

では、コントロールのレターを紹介します。これは私のクライアントのもので、もう5年間コントロールの座についています。私がこれまで手がけた中で 最も優秀なものかもしれません。それは、成果という意味でです。クリエイティブな才能という意味ではありません。なにしろ、これまでのレターの寄せ集めで 作ったものなので。

これには、マインドコントロール・コピーの7つの秘密と、このセクションで説明したすべての要素を取り入れ、4ページに押し込んだのです。

また、以前に使ったコピーからも、いろいろと採り入れ、つなぎ合わせています。3インチ×5インチのカードを糊で貼り付けたようなものです。ですからエレガントではないですし、経済に関する逆接コピーでいっぱいです。

こちらが私の書いたコピー“オバマ大統領にお金持ちにしてもらおう”です。

クライアントは“雄花大統領にお金持ちにしてもらおう。あなた1人で恩恵にあずかりましょう”とは言わせてくれませんでした。それでは逆に非生産的との意見でした。

これはPURL(訳注:Personal URL。パーソナライズ化されたURLをすべてのメール受信者向けに自動生成してそのURLにその人独自のランディングページを作成する。)を使ったダイ レクトメールで、見込み客を、その人の名前入りのウェブサイトに誘導するようになっています。

テキサスのクレイジーな億万長者

テキサスのクレイジーな億万長者というのは、私が22年間にわたって、この種のクライアントに時おり使ってきた言葉です。

レパートリー集の中から引っ張り出し、ここで使いました。その説明は、中で、こんなふうにしています。

私の名前はフィルです。私はビジネスマン兼コーチです。新しいビジネスをしています。あなたは私のことをご存知かもしれません。

ちなみに、“あなたは私のことをご存知かもしれません” というのは優れたフレーズです。聞いたことがないのは分かっているのですが、こう言うことで、ほかの人は皆知っている、知らないのはお前だけだぞ、と示唆することができるのです。

私はテキサスのクレイジーな億万長者です。友人も私をそう呼んでいます。景気が悪くても私は大成功しています。

テキサスのクレイジーな億万長者は、過去の広告では主役にしたこともありますが、ここでは1要素として差し込んでいます。次にこう言っています。

“オバマ大統領にお金持ちにしてもらおう”

無料で使える有名人ですからね。そして矛盾のコピーです。

この景気の悪さは更にどんどん悪化していくかもしれませんが、あなたにとっては得になるかもしれません。景気の悪さのおかげで、あなたは簡単に金儲けができるかもしれません。私がそれを可能にするお手伝いをしましょう。」

ところで、人生でお金のことが思い通りにいっていない人たちが信じていることは何だと思いますか?

“景気が悪い”ということです。“自分は失敗した”ではなくて、経済が悪化したせいなのです。だからそれを前提とします。

テキサスの億万長者が不景気の中、秘密の情報で得していると続きます。理解してほしいのは、ここでは不動産投資を売っているのに、私が「そして今、不動産業のバブルがはじけた…」と言っている点です。

これはちょうど、自分のレストランに来てくださいと言いながら、有毒ガスだとか毒という言葉を使っているようなものです。

それが矛盾のコピーなのです。

もう一つの例は”面白い趣味でお金を稼ぎませんか?”というセールスコピーです。趣味というのもいい言葉です。というのは、大変ではないように聞こえるからです。

“面白い仕事”としてはだめです。趣味という言葉には好ましいニュアンスがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

最重要要素4:無償の愛

次は無償の愛のコピーです。これは必要不可欠です。ともかく、相手が悪いことにしては絶対にいけないからです。

この世で最も嫌われるメッセージは、“あなたの状況は自業自得”というものです。

こんなメッセージは、不快で、魅力に欠け、売れません。

大方真実ではあるのですが、ものを売り込むときの言葉ではありません。

そう言ってはいけないだけでなく、その概念の周辺からできるだけ遠いポジションにつくことが望まれます。

それは絶対にあなたのせいではない。あなたが相手にそう言ってあげるのです。

マインドコントロール・コピーの7つの秘密の、神秘性の項の陰謀論を思い出してください。これは、その一手です。

ともかく、貧乏人に、貧乏は自業自得などと言ってはいけません。太った人に、肥満は自業自得と言ってもいけません。

それは許されないことです。それは多くのテストでも証明されています。

ゲイリー・ハルバートが、キャンペーンで、太った人に太っているのは自分のせいだと言ったことがありました。コピーの質はセールスライターとして最高のものだったのですが、大失敗に終わりました。誰もそんなことを言われたくないからです。

皆、その反対のことを言われたいのです。恋愛、健康、フィットネス度、金銭、ウザイ顧客、ウザイ従業員などなど……その人のうまくいっていない状況は“あなたのせいではない”と言って抱きしめてあげれば、高得点を稼ぐことができるのです。

それは、皆がお母さんにしてもらったことです――それが原因でそうなったのが事実なのですが。

お母さんが抱きしめ、こう言ったのでしょう。「あなたは悪くない。ほかの子が皆悪くて意地悪なのよね。あなたのせいじゃない。みんなあなたのことを分かってないだけ」

5度目の離婚をして実家に戻ってきた息子に対しても、お母さんは「お前のせいじゃない。悪いのはすべてあの女たち」と言ってあげるでしょう。

1度の離婚なら、息子が悪いのは5分5分の確率ですが、2度、そして5度となると、5人の奥さんがすべて悪いという悲惨な方程式は成り立ちません。悪いのはあなたです。

数学的に言っても、5人の性悪女を連続的に選んでしまうなんてあり得ません。

ですから、私たちはコピーで相手を抱きしめてあげ、あなたのせいではないと言い、こんな理由をつけるのです。

  • その人が知らされていない秘密が存在する
  • その人がこれまで教わってきた○○の方法は、どれも難しすぎて話にならず、そんなことが実践できる人はほとんどいない
  • その人に対する陰謀が存在する

どんな理由づけであれ、彼らをコピーで抱きしめてあげ、あなたのせいではないと言ってあげれば、こちらのポイントが上がるのです。非常に高いポイントとなります。

その反対を言えば、ポイントをすべて失います。

これがコピーのハグです:

“あなたがこの困難な状況にあるのはあなたのせいではありません。なぜなら______”

“なぜなら”の空白を自分なりに埋め、ひな型として使いましょう。

ハグとか、ポンと叩いてもらった感じ、安心させてもらった感じが、あなたの思う度合いで出せるようにしましょう。

次は、過去は関係ありません、という慰め言葉です。

ガシーレンカーが最初に制作したトニー・ロビンズの「パーソナルパワー1」のインフォマーシャルで使われた素晴らしい言葉に、こんなのがありました。これはその番組用に書かれた最高のセリフの一つです。「あなたの過去にあなたの未来をコントロールさせる必要はない」

なんて素晴らしい言葉でしょう。私が考えたものでありません。おそらくレニー・リーバーマンだと思うのですが、ともかく、人が未来に希望を持つため に必要なことが要約されています。見込み客があなたに注意を払っているそもそもの理由は、過去に、うまくいかないことがたくさんあったからです。

ところで、「不動産で金持ちになる方法」の無料プレビューに絶対出したくない人がいます。それはドナルド・トランプです。

彼は出してはダメです。彼は、お金の面でかなり成功しているからです。

見ている人は、過去がうまくいかなかった人たちであり、年齢に比例して、うまくいかなかったことの数が累積しているはずです。

人生の荷物はどんどん大きくなり、歳を重ねるにつれて重くなっていくのです。それは、歳をとれば先が見えるからです。

そこで、私たちが、どれも気にすることはないですよと言ってあげる必要があるのです。

詐欺の前科ですか? 安心してください。過去は関係ありませんから――と。

次は、分かります、という慰め言葉です。見込み客は、自分を理解してくれる人と会話を持ちたいのです。ただし、理解といっても、本当の意味での理解 ではありません。本当に理解してしまったら、うまくいかないのは彼らのせいで、彼らはおそらく無能だということが分かってしまうからです。そんな人を助け るのは、途方もないプロジェクトになります。

そんな次元で理解するのではなく、ただ、彼らの気持ちや人生の苦労を分かってあげるというだけです。誰もが、自分はすさまじい苦労をしていると思っているからです。

でも大半の人は、もちろん真実に気づいていません。そもそも、この国、あるいはこの国のレベルに近い国に生まれたことだけでも、苦労知らずと言えます。世界には、たまたまそこで生まれただけで出だしから辛苦を背負ってしまうような国がごまんとあるのです。

誰もが、自分はすさまじい苦労をしているのでそれを分かってほしいと思っています。

セールスコピーがうまく作れたことが分かるのは、読んだ人がこんな話をしてくれるときです。私も自分が得意とする分野でよくいただくコメントなので すが、それは「あなたが午前2時にうちのキッチンテーブルの下にもぐって、妻と私の会話を盗み聞きしていたんじゃないかと思いました」というものです。

そのようなコメントをもらうには、その夫婦の会話がどんなものかを知る必要があります。自分が親しみのある層を対象にセールスコピーを書くより、親しみのない層に対して書くほうが難しいのは、そのためです。

自分とは全く無縁の人々に向けてセールスコピーを書くのであれば、そういう人たちとつき合う必要があります。企業のエンジニアを対象にコピーを書こ うとしているが、自分自身がそうでないなら、モトローラの工場の道沿いにあるバーを見つけ、2週間ほど、エンジニア風の格好をして、そこへ通う必要がある でしょう。エンジニアだったら、さえない表情で、血色が悪く、ポケットプロテクターを付け、アンテナが6本も付いた複雑極まりないスマートフォンを持ち、 つま先と紐が擦り切れた靴を履いていたりするかもしれません。そんな恰好で、4時ごろからバーへ繰り出しましょう。

そこまでしなくてはならないのは、そのプロモーションをヒットさせなくてはならないからです。

昔の話ですが、私が最初にこれを聞いたときは、誰かが考えたばかばかしいリストだと思っていました。それはカヴェット・ロバートでした。彼はこう言っていたのです。「あなたがいかに親身になっているかが伝わるまでは、(見込み客は)あなたがいかに物知りでも相手にしない」

私は、カヴェットの言った5~6項目に対し、上のようなネガティブな反応をしたのですが、結局それらはすべて的を射ていることが分かったのです。その一つがこれです。

あなたが相手を理解し本当に親身になっていると思われなければ、苦しい戦いになるだろう。

私にはあなたの苦労が分かります。

注意深く読んでいただけば、これらの言葉が、私の本やニュースレターに頻出すことに気づくはずです。

そしてこれからも、私は繰り返し繰り返し使っていきます。私には、中小企業経営者や起業家のことが理解でき、あなたの日々の苦労も理解できるのです。分かります。

私自身も、生産性や達成に対する陰謀を経験しています。毎朝家を出たとたんに、人が、障壁や、ハードルや、バリケード、セーフティコーンなどの障害物を目の前に投げつけてきますよね。分かります。

1日が終わると、別に重いものを持ち上げたわけじゃないのに、くたくたですよね。分かります。

起業家たちだって、分かってほしいのです。だから、分かっていることを伝え続けるのです。

あなたは(あなたが約束している輝かしい成果)であってしかるべきです。あなたは金持ちであってしかるべき、今日休みを取ってしかるべき、愛されてしかるべき、痩せてしかるべきなのです。

人は、給付金も、愛情のように、もらえて当然と考えるようにできています。給付金制度はいったん始めてしまうと、パンドラを箱の中に戻すのは容易で はありません。政治家が立候補して、新しい給付金制度を作り出すたびに、それが愛や気づかいや思いやりと受け取られるからです。

それは人々を温かい気持ちにさせます。給付金をくれるということは、ワシントンの人間や、州都の人間が自分たちを気づかってくれているのだと考えるのです。ビル・クリントンの「私にもあなたの痛みが分かります」というセリフを覚えていますよね。

“あなたは○○してしかるべき”というのも、強力な言葉です。キーワードのリストに入れましょう。

この国の建国者たちが私たちに与えてくれたのは何だったでしょうか? “機会と、それを追求する権利”でしたね。でも人々がそれをどのように解釈しているかというと、“得て当然”“得てしかるべき”なのです。

家を自分で得る機会を得たはずなのに、家を持つのが当然の権利と考えられているのです。医療を受けるのも権利と考えられています。

それはもちろん拡大していきます。たとえば、あなたは車を持っている。私は車を持っていない。だからあなたの車を半分に切って両方が持てるようにす るか、あなたの車を一緒に使えるようにするか、あなたが私に車を買ってくれるかすべきだ。なぜなら私も車を持ってしかるべきだから。なぜあなただけが車を 持ってしかるべきで、私は持ってしかるべきではないのか? 私も車を持ってしかるべきだ――というわけです。

拡張の次のレベルは、あなたは、私より良い車をもっている、それは不公平だ、というものです。あなたがいかしたレクサスの新車を持っているように、 私だって、いかしたレクサスの新車を持ってしかるべきだ。なぜ私は古いシボレーに乗らなくてはならないのか? 私が無職で働いていないという事実は無関係 だ――という考えです。

そういう考えがあるのです。それを刺激するのは容易であり、また、刺激すべきです。“あなたは○○してしかるべき”です。

では、このカテゴリーと、その他いくつかのカテゴリーに該当するセールスコピーをひとつ紹介しましょう。

これは現行のもので、最近の例です。

ハガキ版のPURLで、一番上に“名前を差し込む”とあります。

もし、あなたの奥さんや旦那さんが、あなたがセミナーにあと1回行ったら、または教材を買ったら離婚すると言ってきたら、、、

ちなみに、この部分は、郵送先リストの75パーセントの人に該当しているはずです。どうですか? 私は、彼らの会話を知っているのです。「もうこれ以上セミナーには行かせないわよ、チャーリー」という会話を知っているのです。

もしあなたの奥さんが、「セミナーにあと1回でも行ったら、あと1つでも教材を買ったら離婚するわ。」と言ったとしたら。こうしましょう。

もう学ぶのはもう十分です、実際に行動しましょう。

一度の週末で不動産投資を学ぼうとしても、あなたも周りも危険にさらすだけです。しかし、お金を稼ぐ前に全部を学ぼうとしたら、それはラン ニングマシンで走っているようなもので、どこにもたどり着けません。お金を稼ぐのに必要なことを、今、学びましょう。なぜ多くの人がビジネスや不動産投資 で失敗するんでしょうか?スタートすることができないんでしょうか?

そろそろ、あなたのせいではないと言います。もうすぐ抱きしめますよ。

なぜ多くの人がビジネスや不動産投資で失敗するんでしょうか?スタートすることができないんでしょうか?

さて、本当の原因はこれです。彼らは、指示に従わないのです。セミナーに行ったり、ロンなり誰なりのクソ教材を買ったりします。クソというのは、無価値という意味で、馬の糞のクソとは違いますよ。うちの商品だって同じです。

彼らは、教材を買って、家に持ち帰り、ベッドの下にしまい込んで、その上で寝るのです。1カ月後、銀行口座をチェックし、不動産取引をいくつやったか確認しようとするのです。それが原因です。

またはこんなケースもあるでしょう。活動を始めて、最初の人に断られるともうダメ。1度断られただけでくじけてしまうのです。

でもそうしたことは言いません。言っても得るものはないからです。だから抱きしめてあげるのです。

偉大な大志を抱いてる人が、なぜ失敗しするのでしょうか。スタートすることができないんでしょうか。家を売ったり取引することは、すべての富の土台です。みんな、それが鍵だって知っていますよね。テレビでもやってます。

ところで、これは“私の名前を聞いたことがあると思いますが”と同じです。「知らないけれど、知ってることにしておこう」

お金を持ってる人は、土地を買ったり所有したり貸したりして、もっとお金を稼いでいます。ただ15パーセント以下の人しか成功していないん です。そんな状況ですので、私は弟子を募り、必ずお金を稼げるように彼らを育てようと決めました。セミナーや教材にお金を使う代わりに、です。

次は信頼性を訴えるコピーです。

なので、受講しようかな、どうしようかな…と迷っているようであれば、先延ばししているのであれば、貧窮しているのであれば、私があなたを弟子にして教えてあげましょう。

人々が成功しない理由というのは、4つあります。まずは、それをお教えします。ちなみに、その4つの理由というのは、あなたの自制心の問題だったり、あなたの問題では全くありません。

しかし、その4つの原因が、その人個人の自発性だとか、責任感、意志力、情報の応用力だとは言いません。そういうことは一切あげないのです。

原因は、これまで皆が教えられてきた方法に問題があるからだとします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最重要要素5:私がここにいる理由

最後のカテゴリーは、私がここにいる理由のセールスコピーです。

正直に言ってしまうなら、その理由は“あなたのお金をもらうため”になります。もちろん価値と交換するのですが、お金をもらうためです。

もしアリーナで15,000人の聴衆を前にして、私が最後の講演者として舞台に出るなり「はっきりさせておきますが、今日私がここで話をする唯一の 動機は、極力大勢の皆さんからお金をいただくためです」などと正直に言ってしまったら、それに対しどのくらいのポイントが稼げるでしょうか?

ゼロではないかもしれません。そういうのが好きな人も一定数いるからです。率直さに畏敬の念を抱いてくれることでしょう。でも、私が所有する多くの馬のエ サ代も払えないような人数だと思います。私は彼らのオーツ麦や獣医代を払うために働いていますから、そのことを考慮しなくてはなりません。

うちには、食べさせなければならない子供も26人いますので、背に腹は代えられないのです。

セールレターであれ、ウェブキャストであれ、何であれ、そんなふうに始めることはご法度です。

その反対の大きな嘘が「私はここに来るのが大好きです。タダでもやるでしょう」ということです。本当でしょうか? 無償で講演する機会を与えたら、何人が飛びつくでしょう?

前のセクションで、同時に4カ所に存在することができる、知り合いのウェイン・ダイアーの話をしましたが、彼でも、4カ所のどこにおいても、そんなオファーは引き受けないでしょう!

しかし、人は、あなたの理由――何のためにあなたがその人に話をしているのか――については、そのような率直な真実よりも、別の理由があると信じたがるのです。願わくば、別の理由が本当にあるといいのですが。

願わくば、あなたがやっていること、話をしている理由が、純粋に顧客のメリットを実現するため、自分のやっていることにひたすら熱心なため、であるにこしたことはありません。

願わくば、ほかの理由もあればいいのです。しかし、第1の理由は、ビジネスをやっているなら、やはりビジネス上の理由でなければなりません。

ちなみに、第1の理由がビジネス上の動機でないなら、社会福祉事業だとか、慈善事業、宗教活動などをやり、ビジネスはやらないほうがよいのではないでしょうか。そうでないと、自分にとって危険です。すべての意思決定が誤った理由で行われることになるからです。

ともかく、見込み客は、あなたが何のために彼らに話をしているかを知りたがります。その答えは、3つのカテゴリーに分類することができます。

動機の第1カテゴリーは、論理的理由です。「私がご連絡しているのは、あなたが『アントレプレナー』誌を5年連続で購読され、そこから○○であることが推測されるからです。そのような理由で、あなたにお手紙を差し上げました」というものです。

「したがって、調査が正しければ、あなたは無作為に選ばれたわけではありません。無作為選抜の後にこの選抜方法が行われた可能性もありますが。」

「賢い配管工を求めています」「不動産仲介者を求めています」「ペンシルバニア州サミットビルで1,000人の新規患者をさばくことができるカイロプラクターを至急求めています」

先ほど紹介した「オバマ大統領にお金持ちにしてもらおう」にも、論理的な理由が入っています。その人の名前や地域名が差し込まれるようになっているので、「シンプソンビル周辺で特定条件の家を見つけるだけで……」といった表記になります。

そして「どうしてもシンプソンビルの方が至急必要です」という言い方もしています。

以上が論理的理由です。

理由の2つ目のカテゴリーは、ミッション的理由です。

「私は、多くのペテン師が皆さんにとんでもない商品を売っていることに憤慨し、リタイア生活をやめたのです。あのような行為には、はらわたが煮えくり返るのです。

そして今こうして、ペテン師や詐欺師、偽称者に立ち向かい、コモディティ投資の本当の秘訣を伝授しようとしています。

毎回『インベスターズ・ビジネス・デイリー』紙を開くたびに、狂人めいた虚偽広告が目に留まり、はらわたが煮えくり返る思いです。ですから、もう働 く必要はないし、働きたくもなく、妻にも働いてほしくないと言われているのですが、善良な方々がほら吹きにだまされるのが見ていられず、こうして活動して いるのです」

これが「私は怒っています」のセールスコピーです。

私は証明したい。「私は、この経済不安にほとほと嫌気がさしています。なにしろ誰も自立できない世の中になってしまったのですから。アメリカにはも うチャンスもなく、アメリカンドリームももはや存在しません。私はそのことが遺憾で夜も眠れません。そこで私は、私のことを疑う人々が間違っていると証明 したいのです。1,000人の一般人を募り、彼らを36カ月以内に億万長者にしてみせます。あなたもその一人に……」

以上が“証明したい”のパターンです。

それから“恩返しがしたい”というのもあります。「私が活動しているのは、私が野球に、言い尽くせないほどお世話になっているからです」だから、恩返しがしたいというわけです。

こういうヘッドラインもあります。“手遅れになる前に教えたい”。これは『オポチュニティ・ワールド』誌の全面広告のヘッドラインでした。

この広告は、三十何年間にわたって、6つか7つの雑誌に、毎月掲載されていました。これは、余命6カ月を宣告された男性の、素晴らしいストーリーなのです。この広告は33年間も続きました!

広告は、この人が余命6カ月と宣告されたと言っていました。その人は、自分の秘密を持ったまま墓場に行きたくないので“手遅れになる前に教えたい”と言うのです。

以上がミッション的理由です。

そしてもう一つが神秘的理由です。この手の動機が大好きな人たちがいるのです。

これは、“生徒の準備が整えば先生はおのずと現れる”というパターンの派生型です。現実には“生徒の準備が整えば、セールスマンが現れる”のですが。

私たちは、誰かの手によって、この場所に、この時に、神秘的理由で連れてこられたのです。“誰か”の部分を、あなたと、何よりターゲット客に合わせて考えましょう。

神様でもよいですし、宇宙でも、魔法のカエル、フロードでも、なんでもかまいません。ともかくそういうことです。

これは素晴らしいコピー文です。私が書いた現行のセールスレターです。

あなたの内なる声を信じましょう

それは実は、あなたの内なる声がそう言っていますと、レターで言っていることなのですが。

以上、論理的理由と、ミッション的理由と、神秘的理由を紹介しました。

ターゲットに合わせて、この3つの中のどれかを選んでもけっこうですし、混ぜて使ってもかまいません。3つとも使う工夫をしてもよいでしょう。ともかく、動機の説明は、コピーの重要な要素です。

では、例を二、三、紹介しましょう。違う意味でかなり勉強になります。

これは、最近書いた現行のコピーです。実際のパッケージは、“オバマ大統領にお金持ちにしてもらおう” の形態と同じになりますが、これは健康関連です。受取人の名前入りで、PURLのサイトに誘導するようになっています。内容は、痛みの緩和についてです。

ここで取り上げているセールスコピーのカテゴリーに該当する重要な部分がこれです。

私ははジョン・フランクという医者です。今日は重要なニュースがあって、お手紙をお送りしています。もし慢性的な関節痛や、関節の痛みにお悩みな ら、ぜひ聞いてください。私は、元アメフトの選手でもあります。プロのアメフトチームで、ジョン・モンタナや、その他の一流選手と一緒の芝生でプレーしま した。

これは余談なのですが重要です。なぜなら、ジョン・フランクなんて誰にも知られていませんが、ジョー・モンタナなら、この年齢の人なら誰もが知って いるからです。私は、ジョン・フランクの名前を借りることによって、ジョー・モンタナを登場させたのです。そしてフランクとジョー・モンタナのツーショッ トも入手しました。ジョー・モンタナをまともに起用する予算なんてありませんから!

これが鍵となる文です。

「私はフットボール選手なので、痛みについてはよくわかっています。」

私にはあなたが理解できます。あなたの苦労が分かります。だから話をしているのです、というパターンです。

プロのアメフト選手だと、引退した後でも必ず、膝の痛みや腰の痛みや関節炎に悩まされます。ビンのふたを開けたり、靴紐を結んだり、ゴルフをしたり、子供をチャイルドシートに載せたり、、、そういう時、本当に大変ですよね。わかるんです。

ところで、瓶を開ける、靴ひもを結ぶ、ガーデニング、ゴルフ、孫をチャイルドシートに乗せる、という項目は、関節炎患者が最も困っていることです。それをアンケート調査結果で見て、ランキングの順番どおりに並べました。

コピーは偶然の産物ではありません。少なくとも素晴らしいコピーはそうではありません。

ただ座って、適当なことを、考えついた順番に並べ立てているわけではありません。成功したければそれではだめです。競争の激しい分野で成功したければなおのことです。

私には分かります。だからこそ私はここで本当に役立つ助言を提供しているのです。

次の文は、冒頭が優れているので、あなたも使いたければどうぞ。

あなたに手に入れてほしいものは…

素晴らしい言葉です。“あなたに売りたいもの”でもなく、“あなたに買ってほしいもの”でもなく、“あなたに手に入れてほしいもの”でなければいけません。

ところで余談になりますが、これにまつわる興味深い裏話があります。このバージョンで売ろうとしているのは、毒にも薬にもならない商品です。そのため、ハガキの最後のほうで、このようなことを言っています。

私は医師として、はっきり言います。これは既製品だったりテレビで宣伝されてるようなものではありません、と。そして処方箋で出される薬よりも安全です…

以上が、商品用のバージョンです。

次は、情報商材用のバージョンです。

あなたに手に入れてほしいものは、痛みを和らげる本、痛みとサヨナラして生活できるための本です。この分厚い本には、たくさんいい情報が入ってあります。

何を食べたらいいのか。何を食べたらいけないのか。そういう情報が全て書いてある本。何歳の人であっても、毎日サクっと眠ってスッキリ起きる。この分厚い本は、今までで最も効果的で最も権威があって痛みについて全てのことを語っている本です。 

あとはすべて同じです。片方が商品用で、もう片方が書籍用というだけです。

マーケティングのレッスンと同じで、これもさまざまなパターンでスプリットテストを繰り返しました。

商品の定期購買を売るためのボーナスが本というパターンや、本を売るためのボーナスが商品初月無料、といったパターンを試すのです。どちらにしても、定期購読で顧客のカードにガンガン課金することになり、商品の配送は、顧客がその病気で死んでもまだ続くのです。

スプリットテストというのは、このようにいろいろなパターンで何度も繰り返され、もちろん、ある結果が出ても、それを用いて次はリスト同士を比べるわけです。ですから、1つのことを知るために、25通りの条件で10万ドルかけて行うなどということもざらです。

別の手法で、もっと安く行うこともできますが、ともかく事情を紹介したいと思った次第です。

話を元に戻します。このレターの差出人がターゲットにこの話をするのには理由があるということです。“私は憤慨しています”の要素も少しあります し、神秘的理由も少々含まれていますが、主な理由は“私はあなたと同じ痛みを持つ者です。分かります。そんな私がついに効果的なものを見つけたので、広め ない手はないと思いました。私がお話ししているのはそのためです”というものです。

彼はまた、医者であり、スポーツ選手であり、代替健康法に詳しいという、言うなれば、三拍子そろった人物であることも理由です。

次は、もっと論理的で標準的で普通の例です。これは長年にわたって『ニューズウィーク』誌のコントロールだったコピーです。

購読者様、、、

あなたの名前はある購読者のリストから見つけました。

また、あなたのお名前をある購読者リストから取得し、ご購読のご案内をさせていただいています、と説明したケースもあります。これはアゴラが出した、オックスフォード・クラブのコントロール・コピーです。

投資家仲間のあなたへ、、、

これは、優れた言葉なので、キーワードのリストに加えてください。自分を相手の仲間と位置付けるのです。

「サクセス・マガジンのご購読者様へ」と言うより「サクセス・マガジンの購読仲間のあなたへ」とするほうがよいのです。

あなたも私も『サクセス・マガジン』の購読者同士ですよ、と言ったら、親しみが湧きます。

投資家仲間のあなた。あなたは限られたリストの中から選ばれ、世界で最も利益の高くてステータスの高い、ファイナンシャル同盟の会員への招待状を受け取っています。あなたは選ばれたリストの中から、更に選ばれた一人です。

“あなたは限られたリストの中から選ばれ……” と書いてあり、読者は「そうか、名簿から名前を取ったんだな」と理解します。そして、では何の名簿だろうと興味が湧くでしょう。そこでその興味を満たし、今その人に話をしている理由も説明しました。

信用を築く

では、最後の大きな、というか、重要なハードルについてまとめましょう。そのハードルとは、人に決断をさせお金を出させるだけの信頼をいかに得るか、ということです。

これは、なにも新しい情報ではなく、教科書に書いてあることです。でも私は、この項目に結びつけて改めてあなたに説明したいのです。

まず知っておくべきことは、大半の人が、セールスの人間を警戒しているだけでなく、セールスの誘惑に負けそうな自分のことも警戒しているということです。

不動産市場が冷めきっていた時代、不動産販売員を対象にしていたマーケター――不動産で儲けようという一般投資家向けのものではなく、私のクライア ントのクレッグ・プロクターやキンダー・リースのように、不動産販売の資格を持ったエージェントを対象にマーケティングを行う人たち――が最も困っていた のは、彼らのEメールを急に誰にも見てもらえなくなったということでした。

それには2つの理由がありました。

1つは、この時代はもう何をしても無駄だという先入観です。そしてもう一つは、自分がEメールを読んだら何か買ってしまう可能性があるが、今は何も買わないようにしたいということです。

だから誘惑されないようにしなくては、と考えるのです。

私自身も、ドーナツショップの前を車で通らないようにします。自分が信用できないからです。また近所のコンビニでコーヒーを買うのも控えています。というのは、コーヒーを買いに入っても、そういう店は必ずレジのところでクリスピークリームのドーナツを売っているからです。

コーヒーだけでは済まない自分が分かっているのです。半分だけ食べようかとか、あとでジョギングして燃やせばいいさ!と考えて、買ってしまう自分のことを。

このように、人は、自分が誘惑に負けないよう、あなたのセールスレターをわざと読まないようにしています。そういう状況があるのです。だから、あなたを警戒しているだけでなく、自分のことも警戒しているのです。それほど極端な現状です。

顧客のコミットメントを勝ち取るための9つの関門というのがあります。いかに顧客を信用させるかということです。このリストは、私の「屁理屈なし」シリーズのマーケティング本に記載していますが、今説明していることに結びつけて考えるべきです。

人は、以下のようなことを推し量ろうとします。

この人は“本物”か? 人が語りかけるような口調で書かれていたとして、それが、自分のセールスレターであれ、人のために書いたものであれ、その人の声は本物に聞こえるか? 本当に言っているように聞こえるか? ということです。

ですから、時には、少しくらい率直な真実を述べてもいいのです。ただしそうする場合は、話をうまくまとめ上げてください。

この人は実在するのか、それとも作り上げられた、嘘のキャラクターか?

一部の秀逸なパフォーマンス――とはつまり、人が見る“セールスコピー”のことですが――秀逸なパフォーマンスは、セールスパーソンがただ出ていって自然にやっているものではありません。

台本に基づいているのです。

優れたものは、人々に本物だと思わせる――逆に完ぺきでなかったりします――ので、非常に効果的です。

彼の言っていることは本当だろうか? 信じていいのだろうか? 今聞いていること、あるいは読んでいることに真実味はあるか?

先ほど紹介した私の”学ぶのはもう十分、行動に移しませんか?” にはこんな1文があります。

私の研究によると15パーセント以下の人しか成功しません。

一見、なぜ挑戦した85パーセントの人が失敗するなどと言ってしまうんだろう? と思いませんか?

でも、それを聞いた瞬間、読者は「この人は本当のことを言っている」と思ってくれるのです。

ただし、醜い事実を提示するときは注意深くやらなければなりませんが、上手にやれば真実味がアップするのです。

この人は知識と能力を持っているか? 人は、自分がお金を払おうとしている相手が、そのことに通じているのか、本当に自分の助けになるのか、能力があるのか、ということを知りたがります。

つまり、この人は自分にとって適切なのかどうかということは、重要です。関係の成立可能性といいますが、最初に連帯感や親近感を作り出すことが大事だというのはそのためなのです。どんな人に共鳴するかは、人それぞれです。

あなたには信じられないかもしれませんが、私をすっかり毛嫌いする人もいるのです! 実は人生の最大の謎の一つですが、確かにそういう人はおり、そういう人はきっとほかの誰かを気に入ったりするのでしょう。

人は何を推し量ろうとしているのでしょうか? この関係は成立可能か? この人とコーチングの環境で対話をし、つき合っていくのが、自分にとって嫌でないか? ということを推し量ろうとしているのです。

5番目は、距離があるととても難しいのですが、この人は私に耳を傾けているか、それともただ売りたいだけか? ということです。人は、カスタマイズ された解決策を求めています。誰にでも当てはまる“汎用的”ソリューションでは嫌なのです。これは最も書くのが難しいタイプのコピーですが、そういうこと もあるのです。

6番目は、信頼できるか? ということです。この人は、6カ月経ってもまだやっているだろうか? というふうに、安全性を求めるのです。

7番目は、自分は、この人がやろうとしていることを理解でき、安心していられるだろうか? ということです。紫色のパイプやピンク色のパイプを使っ てお金をどう動かすのかを理解する必要はないが、そういうパイプがあることだけは知っておきたい、というレベルでもよいのです。

自分は、よそと比較して最適な選択肢を選んでいるだろうか? 売る側としては、当然ながら、よそとの比較はされたくありません。したがって、この疑問に、なんとかコピーで答える必要があるのです。

最後は、この値段は公正か? ということです。「自分は最安値で買っているか」を気にする人は、実はとても少ないのです。

それを気にするのは、景気にもよりますが、人口の12~14パーセントで、そういう人たちは、気にするしかない人たちです。

貧しいので、なんとしてでも一番安い値段で買わなければならないのです。ですから、どのみち、私たちが顧客にすべき人たちではありません。

貧しい人々を顧客にしたいのなら、それは社会福祉事業です。サンダルとガウンに着替えてどうぞ行ってきてください! でも私たちは貧しい人々を顧客にはしたくありません。

中には、貧しい人が顧客に紛れ込むこともあるでしょうが、それは仕方ありません。私たちに決定権はないのです。入ってきたときは貧しくても、今は貧しくない人たちだっています。

もし選択肢があるなら、必ずしも一番安い値段でなくても買える人たちを選んだほうが賢明です。

以上、人々が推し量ろうとすることでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

では、実体的な価値がない、無形のものを人に買ってもらうセールスコピーとはどんなものかをまとめましょう。ベジオマティックといったガジェットでもなければ、壁にかけて観賞できるものでもなければ、座れる家具でもありません。

そういったものを売るわけではないのです。

人の心理や感情に入り込み、そこにもともと存在するものを大きく動かして買わせるセールスコピーでなければなりません。

では、最後にお伝えしたいことがあります。また倫理への配慮の問題に戻ります。

このビジネスの難しい点はこれです。

私たちは、多くの、というかおそらく大多数の人が約束された成果を得られないことを最初から分かっています。公正に行えば、約束された効果が得られるものを提供しているのです。でも、大半の人が得られないであろうことを私たちは最初から知っています。

私がこの業界で駆け出しだった頃、オーディオカセットのプログラムを制作したことがありました。私の会社は、さまざまな講演者や会社のためにカセットを制作するメーカーでした。

私たちはいつもこんな冗談を言っていました。8巻セットの教材プログラムを製造しているが、実際は第1巻だけ録音・複製したら、後の7巻は空でいいよな、と。

そんな教材を1万セット出荷しても、テープが空だったと苦情を言ってくる人は8人とか10人、12人だろうから、その人たちに、不良品だったことを 詫びて、録音したものを送ればいい。残りの人たちは、どうせ聞きもせず、気づきもしないのだから、何も起きなかったのと同じだ、ということです。

まさか、本当にそんなことはしていませんよ。でも実は1、2回そういう事故が発生したことはあり、それで、「テープが空だ」と苦情を言ってくる人の実際の割合を知ったのです。今思えばとんでもない会社でしたね!

ともかく、大多数の人が約束された成果を得られないことを、私たちは最初から分かっているわけです。

成功したければ、つまり、できるだけ強くプッシュし、できるだけ効率的に売るには、このことを気にしていたらできません。

関係ないのです。このことは、あなたの責任でも、私の責任でもありません。

成果を得られない人たちを生んだのはあなたではありません。その人たちが、あなたを実家の親として訪ねてくるわけではありません。顧客の親のような責任は、あなたにはないのです。

あなたの責任は、公正であることだけです。ただしそれは顧客が指示に従った場合のことです。

さて問題は、どの顧客が指示に従うかは、こちらには予測できないということです。

そういうことには意外性もありますし、顧客の可能性をこちらで判断することなどできません。弱くて傷ついていそうに見える人に緩い条件を出し、財布にお金があり余っていそうな人は取っても困らないだろうから、厳格な条件を出すなどということはできません。

それは絶対に無理です。ターゲット市場に属すると判断した人すべてに、できる限りリーチし、あとは彼ら自身に任せるしかないのです。

したがって、私からあなたへの最後のアドバイスは、手加減をしないことです。手加減してはいけません。あなたは、自分の持っているものすべてを発揮して売り込み、成果を得る、得ないの振り分けは、顧客に任せるのです。

 

 

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